初夏の手入れ‐葉刈り 整枝 – Hagari and Seisi ・ Maintenance at Early Summer
うっとおしい梅雨の季節がやってきました!
でも、この時期の手入れは適切に行えば、
1回で2年分の枝作り、小品盆栽の樹格アップが出来ます!
そんな“わざ”をご紹介しましょう!
梅雨の季節は気温と湿度が高いため、盆栽も庭木と同じように旺盛に成長します。 この成長力を利用して“葉刈り”を芽つみ・剪定、整枝(針金掛け)と併用して行います。
葉刈り
ほとんどの落葉樹は葉刈りが出来ます。
しかし、実もの、花ものは、実なりや花を楽しむためには葉刈りを行わない方が良いでしょう。
葉刈りの目的と効果
* 上部と下部の枝のバランスを保つため
* ふところの小さい芽や枝を保護し成長させるため
* 葉の大きさを小品盆栽らしく小さくするため
* 節と節の間隔を小さくし、小枝を分岐させるため
なお、葉刈りや芽つみは木に相当負担をかけますので弱っているものについては、その年は避けたほうが無難でしょう。
葉刈り方法
モミジ、カエデの様な細かい枝を鑑賞するものには必要な作業ですが、
若木と完成木では作業方法が違います。
1. 葉刈りを行う場合は必ず肥料等をやり樹勢をつけておいて下さい。
(1ヶ月ほど前に肥料をやって下さい。)
2. 若木の場合は新芽が伸び葉が固まったら行います。
5月末~6月末頃が良いでしょう。木全部の葉を刈ったほうが良いでしょう。
しかし、一部の枝を太くしたい場合はその枝は葉刈りをしないで枝を伸ばします。
3. 完成木は新葉が固まったら行います(5月末~6月末)。
古い木は外回りの大きい葉を切りふところの小さい葉は切らないほうが良いでしょう。
この時、脇芽等必要のない芽は掻き取って下さい。
4. 葉刈りをしたら雑木の場合木質が柔らかくなっているから針金かけも行ってください。
木の成長が早いので針金のキズがつかないように針金をはずしてください。
5. 完成木の場合は通常針金かけを行わない。
跳ねている枝があればその枝のみ針金で矯正する。
6. 若木の場合は針金かけを行う
太らせたい枝(細すぎる枝や芯になる枝)は先端の葉を残して太りを促進する。
7. 雑木は成長(太る)が早いので、
早めに針金をはずし写真のようなキズを残さない。
その他の注意点
1.
実もの、花もの等も葉刈りを行いますが、若木に限ります。
小枝を作るため、古い木、完成木の葉刈りをすると
次の年の花芽がつかないので葉刈りはしないで下さい。
2.
タチバナモドキ、寒グミの完成木は12月~2月頃までに
葉刈りを行ってください。
この樹種については花芽はなくなりません。
葉刈りの方法はモミジ、カエデなどの葉ものと同じです。
若木は枝作りをするために5月~6月頃に葉刈りをして下さい。
3.
枝の細かいもの、幹にキズのあるものはキズを治してから
葉刈りをして下さい。
整枝(針金かけ)
針金かけの目的と効果
※針金かけは、樹形を理想的は姿にするために、
幹や枝に巻きつけ望む角度に曲げ、
一定期間そのままにしてクセをつけます。
※針金が幹や枝に食い込む前にはずします。
まだクセがついていない場合は再度針金かけを行います
針金かけの方法
- 針金は幹や枝との間に隙間が出来ない程度に添わせて、
だいたい45°の角度で巻きます。 - 曲げたい方向に巻きます。
例えば右に曲げたい時は右回りにかけます。 - 曲げたいところに針金が当るようにかけることによって、
枝を折れにくくすることが出来ます。
完成木の場合は通常針金かけを行わない。
跳ねている枝があればその枝のみ針金で矯正する。
若木の場合は針金かけを行う
太らせたい枝(細すぎる枝や芯になる枝)は先端の葉を残して太りを促進する。