第38回雅風展 No.8
小品盆栽フェア 第38回雅風展 速報第8報
開催2日目、1月11日のイベント
1.無料盆栽セミナー(日本小品盆栽組合主催)
講師:岩野 勇氏(御船園)
教材:唐カエデ
唐カエデの手入れ(葉刈り、剪定)は紅葉が一番きれいな時から落葉して1週間位の間に行うのが良い。
落葉してしばらくすると、枝が硬化することと枝を切ると樹液を吹き出し樹勢が落ちるので避けたほうが良い。
今日は甲羅吹きのカエデで、剪定するには時期的に遅いが軽い剪定をする。
雑木は成長が早いので放置すると節間が間伸びしてしまうので、葉刈り・剪定をして間伸びを防ぐとともにやさしい枝を作る。
枝先へ行くほど節間が短くなるように作るとしまった木ができる。
水平に近い芽を2つづつ残す。立ち上がった枝は枝元から外すが、枝を少し残しておくと枝元からやさしい芽が出てくる。
人と同じで小さい時にきちんとしつけをしておくと立派な大人に育つ。盆栽も同じで、素材の段階で適切な手入れをしておくと出来上がったときに全然違ってくる。
5月半ばにも同様の手入れをする。
ピュンピュン伸びた新梢は先端の小さい葉を残して途中の葉っぱはとることによって新梢の太りを抑制できる。
9月に1節残して切る。
教材:ローヤ柿(都紅)
手入れ前 手入れ後
細幹文人で幹には針金がかけられ曲がついているが、小品としては高さが20cmを超えているので小品の大きさにちじめる。
幹をちじめるとき、かけられた針金の背中で曲げると折れにくいが、背中になったところの針金をやっとこを使って曲げると曲げやすい。
アマチュアは飾る木でなければ、針金はきれいにというより効き目を考えてかける。
2.飾り方説明会
1月10日の速報第3報をご覧ください。
3.改作デモンストレーション(モニター使用)
講師:広瀬信幸氏(やまと園)
教材:黒松
広瀬氏はプロになって10年くらいの33歳、新進気鋭の盆栽家。
そろそろ飾りを考えてもよい黒松で、細幹で風情が感じられる木。どちらを正面にしてもよいと思うが、幹の捻転、落ち枝の魅力を生かすため左流れの木として手入れする。
葉の整理(古葉取り)、針金かけ、植え替えを行う。
手入れ前 古葉の整理後 針金かけ(一部)、植え替え
葉の整理は、6~7月に行った芽切り後の二番芽が固まった11月から次の新芽が出る4月くらいまでに行えばよい。
新芽が出てからだと作業中に新芽を追ってしまう恐れがあり避けたほうが良い。
残す葉数は下のほうが弱目な時は少し多目に残し、頭の強い部分は下より強くすかす。
針金かけは、下枝から行う。松柏は銅線を使い1年くらいで全部外す。部分的に残すとは外し忘れることがあるので全部が良いと思う。
二枝づつ連結してかけていく。長い枝の上に短い枝をかぶせて厚みが出るようにする。
植え替えは、黒松の場合雑木と違ってそれほど細根が育っていないので土はやや軽めに落とす。化粧鉢は泥鉢を使い、いろいろな形状のものに合わせてみて映りの良いものにする。